中小企業に必要なのは、予算に収まり、IT の専任部門がなくても導入でき、レポートの設定に何時間もかけずに管理者がすぐ役立つ情報を得られる社員監視ソフトです。日本でも、労働安全衛生法により、タイムカードやパソコンの使用時間の記録といった客観的な方法などで労働時間の状況を把握することが事業者に求められています。

モニタリングは大企業だけのものではありません。米国の労働者1,300人近くを対象とした2024年の調査では、従業員10人未満の組織で働く人の43%が電子的モニタリングを経験していました。米国のデータではありますが、小規模な組織でもモニタリングは珍しくないことがわかります。本記事では、グローバルな7製品に国産の LANSCOPE と SKYSEA Client View を加えた計9製品を、料金、使いやすさ、分析の深さ、中小企業にとっての制約の観点で比較します。

まずは結論
目的に合わせて選びましょう:
総合おすすめ
CleverControl
アプリ、Web サイト、スクリーンショット、勤怠を1つのダッシュボードで
テレワーク・現場作業
Hubstaff
分散型の業務に向けた時間記録、GPS、請求書発行
タイムシート・給与計算
Time Doctor
テレワーク・ハイブリッド勤務のチーム向けの整った時間記録
ワークフォース分析
Insightful · ActivTrak
チーム単位の生産性と業務量の傾向
導入が最も簡単
DeskTime
タイマー操作のいらない自動時間記録
セキュリティ・DLP
Teramind
行動ルール、アラート、データ損失防止
国産の操作ログ管理
LANSCOPE · SKYSEA
IT 資産管理、操作ログ、デバイス制御を日本語環境で一元化

中小企業向けおすすめ社員監視ソフトの比較一覧

海外製品の価格は各ベンダーが2026年10月時点で公開している米ドル建て、国産製品は日本円(税抜)または非公開で、いずれも変更される可能性があります。

ソフトウェア特に適している用途最低価格無料トライアル
CleverControl中小企業に最適な総合型1台あたり月額5.30ドル~(12か月プラン)あり
Hubstaffテレワークや現場作業のチーム年払いで1ライセンスあたり月額4.99ドル~(月払いは7ドル)14日間
Time Doctor時間記録とリモートチームの業務管理年払いで1ユーザーあたり月額6.67ドル~(月払いは8ドル)14日間
Insightfulワークフォース分析年払いで1ライセンスあたり月額8ドル~7日間
DeskTimeシンプルな自動時間記録年払いで1ユーザーあたり月額6.42ドル~14日間
ActivTrakチーム全体の生産性の把握3ユーザーまで無料。有料プランは年払いで1ユーザーあたり月額10ドル~14日間
Teramindセキュリティ重視のモニタリング年払いで1ライセンスあたり月額14ドル~(最低5ライセンス)7日間(クラウド版)
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版PC の操作ログと IT 資産管理をクラウドで一元化1台あたり月額400円(Light B、操作ログ)~、税抜。別途1契約30,000円の初期費用60日間
SKYSEA Client View(M1 Cloud Edition)PC1台から導入できる国産のログ管理・IT 資産管理要問い合わせ(最低利用期間1年)5台分・1か月の評価用貸出(法人のみ、紹介制)

製品の評価方法

機能の数を比べるのではなく、中小企業の立場から各製品を評価しました。

小規模チームにとっての総コスト
最低価格、最低ライセンス数、請求条件、有料アドオン、初期費用
IT の専任担当者なしで使えるか
インストール、わかりやすいダッシュボード、見やすいレポート
モニタリングの範囲
労働時間、アプリ、Web サイト、勤怠、スクリーンショット
分析の質
生データだけでなく、パターンがわかるレポート
トライアルとサポート
トライアル期間、ドキュメント、導入支援
成長への対応
チームの拡大に合わせた料金体系と外部連携

中小企業以外も含めて幅広く比較したい方は、従業員モニタリングソフトのおすすめを網羅した完全ガイドもご覧ください。

1. CleverControl — 中小企業に最適な総合型

1台あたり月額5.30ドル~ 無料トライアルあり Windows · macOS

勤怠・労働時間の記録と、アプリ、Web サイト、スクリーンショット、ライブ画面表示といった会社のパソコンの使われ方を、1つの Web ダッシュボードで確認できます。一般的な勤怠管理ツールより幅広く状況を把握でき、エンタープライズ向けのセキュリティシステムほど複雑ではありません。オフィス勤務、テレワーク、ハイブリッド勤務のいずれのチームにも適しています。

✓ メリット
  • 生産性の把握と PC アクティビティの詳細な確認を1つのツールで
  • すべてのレポートを1つのダッシュボードで、離れた場所からも確認できる
  • PC の台数単位の料金体系で、PC を共有するチームにも便利
✕ デメリット
  • 給与計算、請求書発行、プロジェクト単位の請求の機能は内蔵していない
  • ライブモニタリングと画面録画には Pro プランが必要

おすすめの企業:労働時間だけでなく、勤怠、アプリケーション、Web サイト、画面上のアクティビティまで1か所で把握したい中小企業。向いていない企業:給与計算、顧客への請求、プロジェクト管理が主な目的のチーム。

料金:Standard プランは、5台・12か月プランの場合で1台あたり月額5.30ドルからです。30台以上で20%、100台以上で30%の割引があり、3か月、6か月、12か月のプランが用意されています。最新の料金を確認する。

2. Hubstaff — テレワークや現場作業のチーム向け

年払いで1ライセンスあたり月額4.99ドル~ 14日間トライアル、カード登録不要

分散型・モバイル型・プロジェクト型のチーム向けの、時間記録と労務管理のプラットフォームです。初期設定では従業員自身が記録を開始・停止し、管理者は記録された時間、アクティビティレベル、アプリケーション、Web サイト、任意のスクリーンショットを確認します。GPS 追跡とジオフェンスは、顧客先や現場で働くチームに役立ちます。

✓ メリット
  • デスクトップ、モバイル、ブラウザ、現場作業のワークフローに対応
  • 記録した時間をプロジェクト、予算、請求書と結び付けられる
  • 初期設定では従業員自身が記録を操作する、透明性の高い方式
✕ デメリット
  • 下位プランでは、アプリ・URL、スクリーンショット、外部連携に上限がある
  • GPS(Locations アドオン)、給与計算、分析を加えると費用が増える
  • アクティビティを記録するのは時間の記録中のみで、自動記録には有料の Silent App アドオンまたは Enterprise プランが必要

おすすめの企業:テレワークの従業員、業務委託先、外回りの従業員を管理し、労働時間をプロジェクトや勤務場所と結び付けたい中小企業。向いていない企業:勤務時間中の PC アクティビティを継続的に把握したい企業。

料金:Starter プランは、月払いで1ユーザーあたり月額7ドル、年払いで月額4.99ドルです。スケジュール管理、勤怠、給与計算、高度なレポートは、上位プランやアドオンで利用できます。

3. Time Doctor — テレワーク・ハイブリッド勤務のチーム向けの時間記録

年払いで1ユーザーあたり月額6.67ドル~ 14日間の Premium トライアル

時間記録に、勤怠、生産性、PC の利用状況のレポートを組み合わせたツールです。従業員は手動または自動で時間を記録し、管理者は Web ダッシュボードで労働時間、プロジェクト、スクリーンショット、アクティビティを確認します。ライブモニタリングよりも整ったタイムシートを求めるチームに適しています。

✓ メリット
  • アクティビティをプロジェクト、勤怠、給与計算と結び付けられる
  • 手動記録と自動記録の両方に対応
  • Standard プラン以上で60以上の外部連携
✕ デメリット
  • Basic プランには勤怠、Web サイトとアプリケーションのレポート、ライブサポートが含まれない
  • オーナーやマネージャーにも有料ライセンスが必要
  • 動画による画面録画と高度な分析は別料金(Basic・Standard プランではそれぞれ1ユーザーあたり月額3ドル)

おすすめの企業:信頼できる勤務時間の記録とプロジェクト管理を最も重視するチーム。向いていない企業:画面をライブで確認したい企業や、機能一式を低価格のプランで使いたい企業。

料金:Basic プランは1ユーザーあたり月額8ドル、年払いの場合は月額6.67ドルです。クレジットカードの登録なしで、14日間 Premium プランを試用できます。

4. Insightful — 小規模チーム向けのワークフォース分析

年払いで1ライセンスあたり月額8ドル~ 7日間トライアル、カード登録不要

アクティビティデータを、業務量と生産性の分析に変えるツールです。アクティブ時間とアイドル時間、アプリケーションと Web サイトの利用状況、勤怠、スクリーンショット、チームのキャパシティを確認でき、従業員が自分のデータを見ることもできます。Windows と macOS に対応し、Linux にはベータ版で対応しています。

✓ メリット
  • 時間だけでなく、業務量や生産性のパターンを示す
  • マネージャー、アドミン、クライアントは課金なしでダッシュボードを利用できる
  • プロジェクト管理、人事、コミュニケーションのツールと連携
✕ デメリット
  • 表示されている最低価格は年払いが条件
  • 画面録画は有料アドオンで、無料トライアル中は利用できない

おすすめの企業:オフィス、テレワーク、ハイブリッド勤務のチームで、生産性と業務量を分析したい中小企業。向いていない企業:シンプルなタイマーや請求書発行だけを求めるチーム。

5. DeskTime — シンプルな自動時間記録

年払いで1ユーザーあたり月額6.42ドル~ 14日間トライアル、カード登録不要

労働時間、アプリケーションと Web サイトの利用、アイドル時間、プロジェクトを自動的に記録するため、従業員がタイマーを操作する必要はありません。Windows、macOS、Linux に対応しています。

✓ メリット
  • PC での作業中は手入力がほとんど不要
  • 生産性と時間の使い方がわかりやすいレポート
✕ デメリット
  • スクリーンショット、外部連携、API アクセス、シフト管理には Premium プランが必要
  • 専用のモニタリングツールに比べると、モニタリング機能は少ない

おすすめの企業:自動の時間記録とシンプルなレポートを重視する中小企業。向いていない企業:PC アクティビティのライブモニタリングやセキュリティ管理を必要とするチーム。

6. ActivTrak — 成長するチームのための生産性分析

3ユーザーまで無料 有料プランは年払いで1ユーザーあたり月額10ドル~ 14日間トライアル

労働時間、アプリケーションと Web サイトの利用、勤怠、生産性の傾向を分析します。ダッシュボードは個々の画面よりも、チーム全体の働き方のパターンに焦点を当てています。

✓ メリット
  • 3人までのチームは無料プランを利用できる
  • 最も安い有料プランでも6か月分のデータ履歴を保存できる
✕ デメリット
  • 有料プランは最低5ライセンスで、すべて年間契約
  • スクリーンショットや完全な URL には Screen Details アドオンが必要

おすすめの企業:画面レベルの詳細よりも、勤怠と生産性の傾向を把握したい中小企業。向いていない企業:5人未満で有料プランを使いたいチーム。

7. Teramind — セキュリティを重視する企業向け

年払いで1ライセンスあたり月額14ドル~ 最低5ライセンス 7日間トライアル(クラウド版)

アクティビティモニタリングに、内部不正リスクの検知とデータ損失防止(DLP)を組み合わせたツールです。Web サイト、アプリケーション、ライブ画面、セッションの再生に加え、ポリシー違反を管理者に通知するルールも設定できます。この比較の多くのツールより強力ですが、そのぶん複雑です。

✓ メリット
  • 生産性のモニタリングとセキュリティ管理を両立
  • リアルタイムの調査と過去のセッションの確認に対応
✕ デメリット
  • 標準プランはすべて最低5ライセンスが必要
  • 年間契約は前払いで、返金されない

おすすめの企業:機密情報を扱い、内部不正やデータ損失への対策が必要な中小企業。向いていない企業:時間記録とシンプルなレポートだけが必要な事業者。

8. LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版 — 操作ログと IT 資産管理をクラウドで一元化

1台あたり月額400円~(税抜) 初期費用は1契約30,000円 60日間の無料体験版

大阪に本社を置くエムオーテックス株式会社(MOTEX)が2012年から提供している、PC とスマートフォンをクラウドで一元管理するサービスです。PC の操作ログ、残業・アイドル時間の月次レポート、IT 資産管理、MDM を1つのコンソールで扱え、Windows、macOS、iOS、Android に対応しています。情報は MOTEX が公開している2026年7月付の公式資料に基づいています。

✓ メリット
  • 操作ログを取得できる Light B は月額プランで1台あたり月額400円
  • 操作ログ、月次レポート、資産管理、MDM を1つのクラウドコンソールで
  • 電話・メール・チャットによる日本語のヘルプデスク
✕ デメリット
  • 台数にかかわらず1契約30,000円の初期費用がかかる
  • スクリーンショットやライブ画面表示の機能は公式資料に記載なし
  • macOS で取得できるのは Web 閲覧ログと周辺機器の接続ログに限られる

おすすめの企業:PC とスマートフォンの資産管理、操作ログ、残業・アイドル時間の簡易レポートを1つのクラウドコンソールで扱いたい国内の中小企業。向いていない企業:スクリーンショットやライブ画面表示を求めるチーム、Mac が中心のチーム、初期費用を負担に感じるごく小規模なチーム。

9. SKYSEA Client View — 国産の操作ログ管理・IT 資産管理ツール

価格は要問い合わせ 最低利用期間1年 5台分・1か月の評価用貸出(紹介制)

Sky株式会社が提供する、情報漏洩対策と IT 資産運用のためのクライアント運用管理ソフトウェアです。M1 Cloud Edition はサーバーも初期ライセンス費用も不要な SaaS で、PC1台から導入でき、Windows と macOS に対応しています。

✓ メリット
  • アプリ、ウィンドウタイトル、Web、ファイル、USB、ログオン時刻まで網羅する詳細な操作ログ
  • 不正な操作のアラートと USB デバイスの制御
  • PC1台から導入でき、サーバーも初期ライセンス費用も不要
✕ デメリット
  • 価格が公開されておらず、見積もりは法人のみが対象
  • 日本語環境が前提で、英語版 OS では一部の機能しか動作しない
  • M1 Cloud Edition で取得できるログは、オンプレミス版のログの一部

おすすめの企業:年間契約に抵抗がなく、国内で実績のあるクライアント運用管理・ログ管理ツールを導入したい組織。向いていない企業:自分で申し込めて料金体系が明確なサービスを求める小規模事業者や、日本語以外の環境で利用する企業。

日本で従業員モニタリングを導入する前に確認すべきこと

日本には従業員のモニタリングだけを定めた法律はありませんが、ログやスクリーンショットは個人情報に当たり得るため、個人情報保護法や労働関係の法令に沿って運用する必要があります。
  • 利用目的の特定と通知:取得する情報の利用目的を特定し、本人に通知または公表します(個人情報保護法第17条第1項・第21条)。進め方は従業員へのモニタリングの伝え方で解説しています。
  • 社内規程と責任者:個人情報保護委員会は Q&A(Q5-7)で、目的を社内規程等に定めて従業者に明示すること、責任者とその権限を定めること、実施ルールを策定して運用者に徹底すること、ルールどおりの運用を確認することを挙げています。重要事項を定めるときは労働組合等に通知し、必要に応じて協議することが望ましいとしています。
  • 就業規則:モニタリングのルールを就業規則に定める場合、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)の意見を聴いたうえで労働基準監督署に届け出て、従業員に周知する必要があります。
  • 必要な範囲に絞る:裁判例は、モニタリングが社会通念上相当な範囲を逸脱していないかという枠組みで判断してきました(東京地裁平成13年12月3日判決など)。スクリーンショットや画面録画は、目的に照らして必要な範囲に限定しましょう。
  • 海外拠点の従業員:EU 域内で働く従業員も対象になる場合は、従業員モニタリングにおける GDPR の要件もあわせて確認してください。

※本記事は一般的な情報の概要を示したものであり、法的助言ではありません。

どのツールを選ぶべきか

時間記録・プロジェクト・勤怠:Hubstaff または Time Doctor
手間のかからない自動記録:DeskTime
チーム単位の分析:Insightful または ActivTrak
セキュリティとデータ保護:Teramind
日本語環境での操作ログ・IT 資産管理:LANSCOPE または SKYSEA Client View
多くの中小企業にとって最もバランスがよい選択:CleverControl — アプリ、Web サイト、勤怠、スクリーンショット、ライブ画面表示を1つのダッシュボードで、エンタープライズ向けの複雑さなしに利用できます。

実際の使い勝手を確かめてみませんか?CleverControl をダウンロードして、チームで評価を始めましょう。